『五穀成就稲虫送り』

 虫送りは本来なら夜、陽が落ちてからする

行事ですが、子どもたちに少しでも昔の文化に触れてほしいとの思いで、毎年お昼に手作り楽器をもって『虫送りを』体験しています。この行事は稲の害虫であるニカメイチュウの駆除が目的で、夜の闇の中、たいまつを掲げて歩くと、ニカメイチュウが火をめがけて飛び込み駆除されるという仕組で、たいまつの後ろには『五穀成就稲虫送り』と 書かれたのぼりを もった列が続いたそうです。

 

5月に田植えした稲が順調に成長していますが、無農薬栽培の稲作では害虫が心配され、ボランティアの方々が大変な手間ひまをかけて育ててくれています。今年も『虫送り』を再現してくれました。のぼりは田上小学校の生徒さんが書いたものです。

五穀とは『米・麦・豆・あわ・ひえ』が豊作となるようにとの願いが込められています。『五穀成就稲虫送り』と言いながら、子どもたちは自分で作った手作り楽器を鳴らして、田んぼの周りを練り歩きました。

日本の伝統行事が風化しないように、出来る限り次の時代に伝えていきたいと思います。

 

虫送りが終わった後に、田んぼで見つけた生き物を見せてもらいました。

 

サンショウウオ

おもに流れの少ない池や沼に生息しているそうです。夜行性で昼間は落ち葉や木の下に隠れているようです。(手足の動きが可愛いですが、好き嫌いはあると思いますが、子ども達は興味津々でした。)

 

ホタルの幼虫

 

ゲンジボタル(大) ヘイケボタル(小)

ゲンジボタルの幼虫は川にいて、短い脚なので、小石の隙間をぬうように潜っているそうです。6回脱皮し成虫になるそうです。カワニナという貝を食べるというのを見せてもらいました。小さなホタルがカワニナに向かって歩いていき、その肉を溶かして食べるそうです。(カワニナはホタルの幼虫が近づいてくると、体を揺らして追い払っているようで自然の営みですが、複雑な思いになりました。)

 

モリアオガエル
田んぼの周りの草の中に白い泡巣を見つけました。モリアオガエルの卵で、アワの中で孵化したオタマジャクシはそのまま田んぼの中に落下し泳ぎだします。(毎年泡巣を見つけると若いころ、観察のために池に通い続けたことを思い出します)

ボランティアの方々が子どもたちのためにいろいろな準備をしてくれました。次は稲刈りですが、これから、無農薬のために暑い中で雑草を抜く作業があることを教えてもらい、子どもたちも少しだけ草むしりをしました。(受けることが当たり前になってしまわないように、できることは自分たちでやることを子どもたちに伝えていきたいと思います)