兼六園菊桜

鯉のぼりのそばにひっそり咲いているのは、兼六園菊桜(ケンロクエンキクザクラ)です。サトザクラ系で、かつては金沢の兼六園に原木があり、天然記念物と言われていたので、30年前に私が植えました。

 

一般的に菊桜の花弁は150枚から200枚。「兼六園菊桜」は花弁が250枚から400枚近くもあり、日本で最も花弁の多い、珍しい品種です。

開花期は4月下旬から5月中旬までの約3週間。ソメイヨシノなどと比べると長く楽しめるのが特徴です。はじめ濃紅色だったつぼみは、開花とともに次第に淡紅色に変わり、そして、花の終焉の頃は、白に近いピンク色に変化するのも特徴です。花びらは一枚一枚散るのではなく、柄をつけたまま落下するのも、ソメイヨシノとは違います。二段咲きするものもあるそうです

 

30年前に私は園庭に桜の木を植えようと思いました。その折考えたことは、花の咲く時期も、色も違っているけどそれぞれが美しいということを、桜を見ながら子ともたちに伝えようと思いました。

 

今、満開に咲き誇っている菊桜は、ソメイヨシノのように愛でられていないのが残念ですが、葉桜になったソメイヨシノの中で、咲き誇っている菊桜を眺めながら念願が叶ったと、ひとり喜びに慕っています。

 

菊桜のそばに行ってみると、美しいのに離れてみると葉っぱと混ざって可憐な花の美しさが目立ちません。

 

誰も目に留めない菊桜のそばに、ばら組の子どもがやってきたのを見つけました。

 

菊桜のそばで泳ぐ鯉のぼりは、毎年、開花も色の変化も見続けていたのかもしれません。

 

可憐な菊桜を一輪飾ってみました。

 

ゆり組の子どもたちに「お花の花びら何枚あるかなぁ」と聞くと、花びらを数え始めました。

数が多くて数えることが大変で、何回もやり直していました。花弁が動かないように紙に貼ってみましたが、数えているうちにわからなくなってしまいました。これからどのように展開するのかと、ワクワクしている園長です。