物思う秋

 

柿の葉が紅葉し、晩秋の花の山茶花が咲き始めました。『山茶花咲いて落ち葉散る』の言葉通り秋が駆け足で過ぎています。

実りの秋なのに我が家の柿の木が、一個も実をつけませんでした。今年は柿が成り年だそうです。何故ならなかったのか調べたら、4月頃に枝を切ったのが悪かったようです。枝を切る時があることを知らす.自然の営みに反したことが原因だと知らされました。


f:id:baba_rumiko:20221030212052j:image

f:id:baba_rumiko:20221030212055j:image

f:id:baba_rumiko:20221030212222j:image

f:id:baba_rumiko:20221030212433j:image

f:id:baba_rumiko:20221030212436j:image



色んな秋の過ごし方がありますが、私は誕生日に娘がプレゼントしてくれた、上橋菜穂子さんの『精霊の守り人シリーズ』『鹿の王』に続いて『香君』を読み終えました。

精霊の守り人シリーズ』『鹿の王』は人間や動物の元気の良いアクションの場面があり、ハイファンタジーという架空の世界を、本当にその世界を見て描いたようなリアルさに、どんどん引き込まれていきました。

 

しかし『香君』は声を持たない草木が主張する"香り"という声、それが聞こえてしまう少女の物語です。聡く、心優しく、度胸も持ち合わせた少女の覚悟と勇気の物語は、心振るわずにはいられませんでした。

 

虫との戦いはありますが、彼らも単に本能に従って食べ物を探すだけで、生き物は自分ではどのような存在に生まれるかは選べないが、どんな小さな者も己の役割を担って生きている、などという言葉が本書のあちこちにちりばめられています。


上巻・下巻構成で文量はそこそこあるものの、読み始めたら草木が主張する"香り"の世界に吸い込まれていきました。

 

その影響で、草花を見ると、草が何を語っているのか、花がどんな香りを放っているのかと楽しむようになり、自然の営みが身近なものに感じ、楽しむことができます。