神の怒り? (旅の話)

 
 話が進み、イエスの12人弟子の一人のユダが

裏切りを企て祭司長のところに出かける場面になると
 
 半円状の舞台からのぞく青空に、黒い雲が現れました。

黒い雲は、すごい勢いで青空を覆っていき、あっという間に空は真っ暗に!!

そして、雷鳴が響き渡りました。

 「すごい迫力!」
 
 ユダの裏切りをリアルに表現しているが、「すごすぎる!」と思っていると
 
 隣の席のドイツ夫人がすごいスピードで動く黒雲を指差しながら、

不安そうな目で話しかけてきました。

        ・



 
有名な最後の晩餐のシーンにさしかかった時のこと


    ☆ 最後の晩餐とは・・
     キリスト教新約聖書に記述されているキリストの事跡の一つ。
     イエス・キリストが処刑される前夜、十二使徒と共に摂った夕食のこと。
     この夕食の場で、使徒の一人がイエスを裏切ることが告げられ(ユダの裏切りの予告)
     また、使徒達が自分の苦難に際して逃げ散る事を予告する(マルコによる福音書14章27節)。
     弟子達はこれを聞いて動揺する。
     ペトロは鶏が鳴く前に三度キリストを否むと告げられ、これを強く否定する。

 
エスが弟子たちの足を洗い始めると

 ものすごいカミナリの音が鳴り響き、雨もふりだしました。
 
 とどろくカミナリに負けじと、舞台上の俳優たちも熱演をしていました。
  


「あなた方の一人が私を裏切ろうとしている」
                                                                 (マタイによる福音書、26章21節)

「私と一緒に手で鉢に食べ物を浸した者が私を裏切る」
 
 イエスは「これは私の体である」と言い添えて、持っているパンの小片を使徒たちに与える。
 

 
 カミナリ、そして雨に、とうとう大粒のヒョウも降りだしました。

ものすごい勢いで降ってくるゴルフボール大のヒョウが弟子たちを打ちつけました。
 
 
 
 
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                空は真っ白、何も見えません





 前列の観客たちは、避難を始め

びしょぬれで頑張っていた俳優たちも、演技を一時中断して、避難。

 ユダの裏切りの場面と同時に荒れ狂うさまは
 
 まさに神の怒りのように感じました。 
 
 敬虔なクリスチャンの観客たちは、
 
 『奇跡的な出来事に」神の怒りを感じ、恐れを感じているようでした。
 
 
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 真夏なのに・・まるで冬のよう

 
 
 
 
 
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  観客総立ち!!

 
 
 
 
 
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 なんとも、凄すぎるオーバアマガウ受難劇。




ひょうが降りやむまで、30分ほど劇は中断されました。

その間、観客たちは今起こったことを語り合い、
 
 動揺しながらも神を賛美し祈りをささげる人たちもいました。






割れんばかりの拍手に迎えられ、舞台に演者が戻ってきた時には

空は晴れ渡り、遠くの景色まで見渡すことができました。

突然のハプニングにより、

演者、観客が一体感となって舞台は進められました。


 食事休憩をはさみ、PM8時からまた再開されました。


 
 イエスは十字架を背負い、ゴルゴタの丘へ這い登り、
 
  やがてクライマックスの時、十字架にかけられたイエス
 
  「わが神、わが神、どうして私をお見捨てになられたのですか」と叫びました。
                         (マタイによる福音書27章46節、マルコ福音書15章34節)。


やがてユダはイエスを売った賞金を投げ捨て、首を吊りました。
 
 

そして、とうとうイエスが十字架にかけられるシーン

生身の人間によって演じられるこの場面は、臨場感にあふれ

目を背けたくなるような生々しさがありました。
 
 
 
 しかし、そのあとに復活のイエスを迎え、明るい気分になった時には
 
 夜空いっぱいに美しい星が輝いていました。
 
 人間の力では表現できない感動の『受難劇』に胸がいっぱいになりました。

  
何と終了したのは現地時間の午後11時でした。

 それからお迎えのバスでホテルまで移動、体力が勝負の『受難劇』となりました。