節分に思うこと

豆まきが習俗として定着したのは室町時代だそうですが、節分の夜に、炒(い)った大豆の福豆を、窓や扉を開け、外に向けて「鬼は外」とまき、鬼が入ってこないように戸を閉めてから、家の中に向かって「福は内」と豆をまき、鬼を追い払い、自分の年の数だけ豆を食べるという「家族で楽しめる季節の行事」として私の小さいころは楽しみました。

 

外に向かって豆をまかないと感じが出ないのですが、室内でまくと豆が家具の隅に入るなどして、掃除が大変なので、幼稚園では落花生を使って豆まきをしてきました。「殻付きなので、まいた後に食べるのに抵抗がない」とずいぶん長い間、節分の豆まきは落花生を使って遊んできましたが、最近では誤嚥の危険があるために、子どもの手作りの紙玉で鬼を追い払っています。



鬼は外! 福は内!

 

鬼が大集合

 

節分にイワシを食べるようですが、昔は栄養価が高い魚で庶民の健康管理に一役買っていたようです。また、いわしは、陸にあげるとすぐに弱ってしまうことや、卑しい魚であるということから、語源は「弱し(よわし)」や「卑し(いやし)」と言われたようです。いわしは臭いが強い魚です。節分に弱く、卑しく、臭いの強いいわしを食べると、体内の「陰の気を消す」という意味があるといわれ、寒い時期に無病息災に生きるために栄養価の高いいわしを食べることが定着したと考えられています。

 

幼稚園の給食も行事食で、イワシの梅煮、大豆とじゃこの甘辛、大根のゆかりあえ、節分汁をキッチンの先生が準備してくれました。時代の変化でどんどん失われる文化を、子どもたちに継承する責任を感ずる園長です。

ちなみに、私は残業しながら、コンビニで買い求めた恵方巻を食べました。邪気を払って、もう少し、元気にかんばりたいと思います。