お部屋から「コンコンクシャン」の歌が聞こえたので覗いてみると、
H先生が子ども達にパネルシアターで歌っていました。
私も担任をしていた時に「コンコンクシャン」を
子どもたちとよく歌っていたので懐かしく思ったからです。
見ていると先生のパネルの動かし方とピアノのずれが少々気になり、
どうしたらよいかなと考えていましたが、老婆心で「コンコンクシャン」の
パネルシアターを自分でやりながら考えようと思いました。
実はその昔、私もパネルシアターに入れ込んでいた時代が在り、
今も作品は50以上スタッフルームに置いてあります。
久しぶりにパネルシアターを取り出してみると、
コピーがない時代に自分で書いたものや、仕掛けに苦労したもの、
講習会で作って演ずるまでに時間がかかったもの、
どれも思い出がいっぱいで感慨無量でした。
「コンコンクシャン」を見つけ、勘を取り戻すために子どもたちの前でやってみようと思い、A先生に「ちょっとの時間やらせて」とたのみました。
「どうぞどうぞ!」と快い返事にもらい、
小さいクラスで勘だめしのつもりで軽く準備をしてはじめようとしたら、
「くるわ、くるわ」つぎつぎと子どもたちが集まってきました。
[A先生にはめられた!」と思ったときは
すでに引返すことができない状況でした。
3クラスの子どもたちが集まっていたからです。
「何があっても臨機応変に対応するのが
プロというもの。」
仕方なく30年前に作ったのペンギンのパネル で導入して「コンコンクシャン」のパネル
シアターにつづけました。
一応歌い終わったのですが、大切なイントロの
部分をうまく生かせず、自分では納得できない展開で練習不足を痛感するものでした。
「
やはり、練習を続けないと腕はおちるな~」と反省していると、
3歳児のI君が「るみこせんせいありがと、またやって!」と言いにきました。
「こんど、またね。いっぱい練習するからね」とI君に話していると、
後ろから
「I君!瑠美子先生に絶対約束のゆびきりげんまんしてって言ったほうがいいよ」
と吹っかけているのはもちろんA先生でした。
「せんせい指きりげんまん うそついたらはりせんぼんのます!」
I君とゆびきりしながら、
「子どもを出しにするのはよくないよ!」と伝えようと思ったのに
A先生はもういませんでした。
だから、「老婆心はろくでもないことになる」と実感する出来事でした。