事実は小説より奇なり

本日、ブログネタぎれです。

かわりに、長女からのメールを掲載したいと思います。

このメールは、その昔、獣医師をしている長女が修行(?)のために
1年間オーストラリア全土を放浪していた時のものです。

なかなか出来ない(普通の人はやらない)体験談をおすそ分けいたします。


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 パースは本当にすべてが違っていました。
 シティの方は世界で最も住みやすい街と言われているそうですが
 私が行ったのは街から1時間の田舎の牧場。

 見渡しても公衆電話もなければ、郵便ポストもない。
 公共バスがあることはあるが、バス停までの交通手段がない!


 私が滞在した牧場は馬70頭、ラクダ16頭を有す、乗馬(ラクダ)牧場です。
 
 お客さんが来たら、馬(またはラクダ)に乗せ先導して
 ビーチまでの2時間コースを行くというのが私の仕事です。
 といっても、馬には乗れない、もちろん英語は話せない私に何ができよう・・・。

 最初の1ヶ月は毎晩涙涙、しかし泣いている暇も体力も惜しいということで
 毎日夜8時に寝ていました。

 私は牧場から車で10分(ただし時速100キロ)の牧場主夫妻の家に住み込みで働いたので
 朝起きると牧場に連れていってもらい、仕事が終わると帰ってくるという生活でした。

 牧場夫妻を除いて従業員は2名。
 どちらも女の子ですが、並の女じゃない。ものすごくたくましい。
 特にイタリア系のカーリーという子はかなりボーイッシュで、身長も大きければ声も大きく
 舌にもピアス、次はタトゥーをする予定とのこと。
 愛車はトラック、趣味はビリヤード、マリファナも少々。
 最初は私も相当ビビっていましたが、馬も相当ビビっていました。
 暴れていても、カーリーが来るとみんな大人しくなってしまう姿には驚く反面、納得です。

 もう一人の子(ジェス)はちょうど私の1週間前に仕事を始めたばかりとのことで、
 暴れるラクダを前に2人途方に暮れていたのも、今思えば懐かしい想い出です。


 さて、馬とラクダですが、最初は本当にとまどいました。
 今まで動物に関わる仕事をしてきたとはいえ、大動物は初めて。
 ましてやラクダなんて動物園でしか見たことがない。
 しかし、ラクダにはまった私です。 ラクダは本当に可愛い。
 そして、賢い動物です。

 昔、キリスト教幼稚園でクリスマスの本を読んだとき、
 3人の博士がラクダに乗って来たという話がありましたが、それも納得。
 だってラクダは賢いんだもん。
 しかし暴れるラクダは最悪です。
 怪獣みたい・・・本当に。



 馬の方はといいますと、数え切れないほど落馬しました。

 落馬して一人前という牧場のポリシーのもと、裸馬に乗せられ
 「じゃ、行って来い」と、馬のお尻をたたかれるわけです。
 もちろん落馬です。

 初めて落馬して、馬に逃げられ、砂浜を歩いて帰ってきたときは、かなり落ち込みました。
 私29歳にもなって、なんでこんなことをしているんだろう、
 普通29の女は結婚して子供でも育てているだろうに、
 なんで私は化粧もせずに牧場なんかで働いているんだろう・・・と。
 しかしオーストラリアは毒蛇、毒蜘蛛がでるとの噂。
 おちおち泣いているわけも行かず、砂浜をすたこら歩いて帰ってきたわけです。


 毎日乗馬練習なんですが、英語でのレッスンがまず分からない。
 その上、カーリーもジェスも子供の頃から馬に乗っているので
 乗馬は体で覚えてしまっているらしく、
 「どうやったら早く走れるの?」と聞いたところ「おまえの情熱だ」とのこと。
 そんな目に見えないものを、どうやって理解しろというのか!


 しかし、そんなこんなしながらも、何とか馬にも乗れるようになり
 5~6人のお客さんを連れて一人で先導するようになったわけです。
 でも、お客さんもびっくりだよねー。

 オージー経営の牧場に来たのに、いきなりカタコト英語の日本人がやってきて
 「レッツゴー」と言うわけだから。
 日本だったら、ちょっとお寿司でも食べに行くか、と言って寿司屋に入ったら
 スリランカ人が寿司を握っていた。
 ネタの仕入れ先を聞いても「ニホンゴ、ワカラナイ~。ニホンゴ、ムズカシイネ~」と言われる。
 味は普通だけど、なんか違う・・・っていうかんじかしら。


 そんな中でもいろいろ出会いがあって、今では懐かしい想い出です。
 たまに日本人観光客も来たりもしました(ちょうど日本が夏休みだったから)
 変わったところでは岐阜県職員組合御一行様なんていうのもありました。
 そういうときに日本のニュースを教えてもらうわけです。
 「お札が変わる」とか「たまちゃんフィーバー」とか。

 と言うことで、感謝感謝の3ヶ月でした。

 長くなりましたので、今日はこのへんで。
 次回はラクダの話をさせてください。

 ラクダについて語ると、かなり長くなるかもしれませんが、宜しくお願いいたします。

 それでは、また。  




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               これ、すべて馬のウンチです!!







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               どうにか、馬に乗れるようになりました。







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               ラクダにも乗ります。








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               生まれて2日目の赤ちゃんラク

               前足に胎盤がついたままです。

    







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               赤ちゃんラクダ、風邪ひかないように洋服着ています。