子どもの発見から始まる描く力

ゆり組さんがお家の方にプレゼントする、お父さん、お母さんの似顔絵を描くことにしました。今回は、いつも何気なく描いている「鼻」と「口」に少しこだわってみました。

「鼻はどんな働きをしているのかな」
「口がなかったらどうなるんだろう」

子どもたちは友だちの顔をのぞき込みながら、思ったことを言葉にしていきます。
「においがかげない」
「ごはんが食べられない」
「お話ができないね」

そんなやりとりの中で、ただ“描く”だけだった顔に、少しずつ意味が宿っていきました。すると不思議なことに、絵も変わってきます。丸いだけだった鼻に小鼻がつき、一本の線だった口には唇が描かれ始めました。

絵の具で色付けをする場面でも、子どもたちからたくさんの発見や発言がありました。これまでは「髪の毛は黒や茶色」「長いか短いか」「まっすぐかカールしているか」といった見方が中心でしたが、今は違います。「赤い髪!」「青もあるよ」「下の方が黄色してる」「全部金色!」子どもたちの言葉はどんどん広がり、色も表現も実に豊かです。日々の暮らしの中で目にしているお父さん、お母さんのおしゃれが、こんなにも子どもたちの心に映っているのだと感じました。考えたことが形になり、形になったことで、また新しい発見が生まれる――子どもたちの中で、そんな豊かな循環が起き、その気づきや発見が、子どもたちの描く力をさらに深めているように感じます。